この記事では、沖縄でカヤックフィッシングを始める人向けにカヤックフィッシングに必要な道具や予算等について説明します!
カヤックフィッシングは、自分の力で海を漕ぎ進み、手つかずの自然の中で釣りを楽しむという、特別な体験を提供してくれます。
さらに、カヤックならではの機動力を活かして、陸からはアクセスできない隠れた名ポイントや、潮目が複雑に絡み合う沖合(アウトリーフ)のダイナミックなポイントにも挑戦できます。
本記事は、沖縄でカヤックフィッシングを始めたいと考えているあなたが、必要な知識と情報を網羅的に得られることを目的としています。
具体的には、カヤックフィッシングの基礎知識から、沖縄ならではのポイント、必要な道具、釣れる魚、費用、そして最も重要な安全対策や注意点、さらにはよくある質問まで、幅広く解説していきます。
この記事を読めば、沖縄でのカヤックフィッシングデビューがよりスムーズに、そして安全に楽しめるはずです。さあ、一緒に沖縄カヤックフィッシングの世界を探求しましょう。
筆者自身がカヤックフィッシングを始め際に情報がなくて苦労したので、「これからカヤックフィッシングを始める人が簡単に、そして事故なく安全に始められるような記事があれば良いな」と思いこの記事を作成しました!
- カヤックフィッシングはポイント競争率が低く、釣果も期待できる!
- カヤックフィッシングに必要な道具が分かる!
- 中古カヤックを買えば約5.1万円で始めることができる!
- カヤックフィッシングを車載する時は道路交通法等の法令を遵守する必要がある!
- ロッドの長さは5ft~6ft(1.52m~1.83m)がおすすめ!
- リールは防水性能が高く、最大ドラグ力7kg以上のリールがおすすめ!
カヤック・SUPフィッシングでのジギングやキャスティング釣行がメイン!
ウェーディングもたまにします!
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カヤックフィッシングとは?
カヤックフィッシングとは、パドルやペダルで操作する小型のカヤックに乗って行う釣りのこと。足元から水面が近く、魚との距離も近いため、臨場感ある釣りが楽しめます。
カヤックの機動力と静穏性を活かすことで、船釣りや陸っぱりとは異なるアプローチで釣りを楽しめます。
手軽に沖に出て本格的な釣りが楽しめるアクティブなスタイルとして、人気がある釣りで静かな海面を自分の力で進み、誰もいないポイントで大物と出会える魅力は格別です。
沖縄カヤックフィッシングで釣れる魚
沖縄のカヤックフィッシングでは、スジアラ(アカジンミーバイ)やハマフエフキ(タマン)、カスミアジ(ガーラ)といった、沖縄ならではの高級魚や人気ターゲットを狙うことができます。
沖縄の海は亜熱帯気候に属し、サンゴ礁が豊かな生態系を育んでいるため、多種多様な魚たちが生息しています。カヤックの機動性を活かせば、これらの魚が潜むポイントへ効果的にアプローチできます。
- スジアラ(アカジンミーバイ):沖縄三大高級魚の一つ。美しい赤色の魚体で、岩礁帯に潜んでいます。非常に美味。
- ハマフエフキ(タマン):強烈な引きで釣り人を魅了する人気ターゲット。砂地と岩礁が混じるエリアを好みます。
- カスミアジ(ガーラ):強烈な引きと綺麗な青いヒレで人気の魚。
- その他:イシミーバイ(カンモンハタ)、フエフキ系の魚、ハタ系の魚、ベラの仲間など、カラフルで美味しい魚が豊富です。
これらの魅力的な魚たちとの出会いが、沖縄カヤックフィッシングの醍醐味の一つであり、多くのアングラーを惹きつけてやみません。
シーズンごとの釣果の違い
沖縄のカヤックフィッシングは一年を通して楽しめますが、季節によってターゲットとなる魚種や釣果に変化があります。
水温の変化や魚の産卵期、回遊パターンなどが季節ごとに異なるため、それに合わせて狙い目となる魚やポイントが変わってくるからです。
- 春(3月~5月): 水温が上昇し始め、多くの魚が活発になります。タマンやイシミーバイなどが狙い目です。天候も比較的安定しています。
- 夏(6月~8月): 高水温期で、ガーラなどの回遊魚や、活性の高い根魚が期待できます。ただし、台風シーズンでもあるため、天気予報の確認は必須です。日差しも強いため熱中症対策が重要になります。
- 秋(9月~11月): 夏の暑さが和らぎ、比較的過ごしやすいシーズン。大型のタマンやスジアラなどが狙える好機です。台風の影響もまだ残る場合があります。
- 冬(12月~2月): 北風が吹く日が多くなりますが、風裏を選べば十分に楽しめます。水温が下がるため深場に移動する魚もいますが、イカ類(アオリイカなど)や特定の根魚は引き続き狙えます。透明度が高まる時期でもあります。
カヤックフィッシングのメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
岸から釣るより釣果が期待できる! 釣りの自由度が高い! ポイント競争回避! | 天候や海況の影響を受けやすい 荷物の制限がある 安全面に注意が必要 |
カヤックフィッシングのメリット
カヤックフィッシングを実際にやってみて感じたメリットは3つ!
- 岸から釣るより釣果が期待できる!
- 釣りの自由度が高い!
- ポイント競争回避!
①岸や船から釣るより釣果が期待できる!
カヤックがあれば岸からでは届かないポイントまで行けます!
「あそこまでルアーを投げることができれば釣れそうだな~」と思っていたポイントにもルアーを投げることができます!ルアーを投げる範囲が広がれば、魚に出会う確率が上がり、釣れる確率も高まります!
実際、私はカヤックフィッシングを始めてアカジンやタマン等の陸っぱりではなかなか釣れなかった魚がよく釣れるようになりました。アカジンに関して言えば、1回の釣行で5匹釣れることもあります。
また、岸からでは釣れないサイズの大きな魚が釣れる確率も高いです。数十m沖に出ただけでも釣果が全然違います。
さらに、カヤックは喫水が浅く小回りが利くため、船では入れないような浅瀬や複雑な地形の場所へアクセスすることができます。そこには手つかずの魚影が濃いポイントが広がっている可能性が高いです。
私はカヤックフィッシングと沖釣りのどちらもやりますが、カヤックの方がよく釣れることが多いです。
沖に点在する根(海底の岩礁)の周り、切り立ったリーフエッジの外側、普段人が立ち入らない静かなワンド(入り江)の奥などは、カヤックだからこそ狙える絶好のポイントです。これらの場所には、プレッシャーにさらされていない大型の魚や、警戒心の薄い魚が多く生息しています。
このように、カヤックフィッシングはアングラーにとって新たな可能性を切り開き、よりエキサイティングな釣りを実現させてくれます。
②釣りの自由度が高い!
カヤックフィッシングでは陸からでは行けないような場所でも行ける上に、水深が浅い所~深い所まで自由に選択できるので、釣りの自由度が高く様々な釣りができます。
例えば、朝一は深場のポイントでジギングをしてアカジンやカンパチを狙い、岸に戻る時に浅場のポイントでキャスティングでタマンを狙うという流れで、1日で複数のジャンルの釣りに挑戦することができます。
また、カヤックは船に比べて小回りが利くので、岩場が多くて船が付けられない狭い砂浜や無人島に上陸することも可能です。
③ポイント競争回避
ルアーフィッシングに限らず、釣りでは「ポイント競争」は付き物ですが、カヤックに乗って沖へ出ればポイント争いのストレスから解放され、自分が行きたいポイントへ自由に行くことができます。
カヤックフィッシングならポイントを取るために朝早く起きて場所取りをする必要がなく、時間を節約して効率的に釣りを楽しむことができます。
カヤックフィッシングのデメリット
- 天候や海況の影響を受けやすい
- 積載量と行動範囲に制限がある
- 初期費用がかかる
- 準備・後片付けが大変
①天候や海況の影響を受けやすい
カヤックはエンジンを持たない小さな乗り物で、風や波に流されやすい構造です。たとえば、風速がわずか3〜4mでも、沖へ流されたり、思うようにパドルを操作できなくなることがあります。
また、波が高くなるとカヤックが不安定になり、転覆のリスクも高まります。
沖縄は、天候が急変しやすく、晴れていたのに突然雨が降ったり、短時間で風向きや波の高さが変わることがあります。
そのため、カヤックフィッシングを安全に楽しむためには、以下の点が重要です。
- 出艇前に天気予報や風速、波高、潮汐をしっかり確認すること
- 「風が強い」「波が高い」と感じたら迷わず中止する判断をすること
初めのうちは、風速が2〜3m程度で波が穏やかな「ベタ凪」の日に、風裏となる場所からスタートするのが安心です。安全を最優先に、無理のない範囲で楽しみましょう。
状況 | 風速の目安 | 波高の目安 | 出艇判断 | コメント |
---|---|---|---|---|
◎ 安全 | 0〜3m/s | 〜0.5m | 出艇OK | 初心者に最適。穏やかで操作しやすい。風裏であれば理想的な釣行日。 |
◯ 注意 | 4〜5m/s | 0.5〜1.0m | 慎重に判断 | 経験者向き。初心者は風裏ポイント・短時間釣行に限定すると良い。 |
△ 危険 | 6〜7m/s | 1.0〜1.5m | 出艇NG推奨 | カヤックが流されやすく、釣りも困難。事故のリスクが高まる。 |
✕ 非常に危険 | 8m/s以上 | 1.5m以上 | 絶対NG | 沖に流される、転覆する危険あり。釣行中止を強く推奨。 |
②積載量と行動範囲に制限がある
持ち込める荷物(釣具、クーラーボックス、飲食物など)の量やサイズに限りがあります。大漁だった場合の魚の保管も課題です。
また、人力で進むため、エンジン付きのボートと比較すると行動範囲は限られます。風や潮の影響も受けやすいため、長距離の移動は計画的に行う必要があります。
③初期費用がかかる
カヤック本体、パドル、ライフジャケット、釣具、安全装備など、一式揃えるにはある程度の初期費用が必要です。
カヤックを中古で買えば費用を抑えることができますが、足漕ぎカヤックになると中古でも10万円以上することがほとんどです。
④準備・後片付けが大変
釣り場に行く前の車載、出艇前の装備のセッティングや、帰着後のカヤックの洗浄など、手間と時間がかかります。
釣りをする前は体力が残っているので問題ありませんが、釣りを終えて着岸した後に砂浜から車までカヤックを運び、さらに車載するのは体力的に結構しんどいです。
特に足漕ぎカヤックは重量が30kg以上の重量が重たいものが多いので、運搬と車載が大変です。
特に夏場は熱中症に気を付けてある程度体力を残した状態で岸に戻るようにしましょう。
私が乗っている足漕ぎカヤックは32kgあるので、カヤックはドーリーを使って運搬し、また、車にもカヤックリフターを設置しています。
ドーリーは過去に5,000円程度のノーパンクタイヤの安めの物を使用していましたが、砂浜ではタイヤが埋もれてしまって運搬できない状態になったので、約3万円する「C-TUG」というドーリーを使用しています。
価格は高いですが、砂浜でも砂利道でも楽にカヤックを運搬することができ、なおかつコンパクトでカヤックにも載せることができます。
こちらのドーリーは非常に人気で類似品も出回っているため、購入する際は注意して下さい。
そして、なかなか購入することができないので、購入を検討している人は在庫があれば即買いすることをおすすめします。
カヤックフィッシングに必要な装備
筆者がカヤックフィッシングを始めるために準備した装備を紹介します!
ここで紹介する道具を揃えればすぐにでもカヤックフィッシングをスタートできます!
ここでは、カヤックとその付属品等に絞って話を進め、おすすめのタックルは後ほど解説します。
これらの道具を事前にしっかりと準備することで、沖縄でのカヤックフィッシングをより安全かつ充実したものにすることができます。初心者はまずレンタルから始めるのも良いでしょう。
①カヤック本体
カヤックフィッシングには、言うまでもなくカヤック本体が必要になります。
初心者は、まず専門店で実際にカヤックを見たり、試乗会に参加したりして、自分に合った一台を見つけることが大切です。レビューや口コミも参考にしつつ、安全性を最優先に選びましょう。
なお、カヤックを選ぶ時のポイントは以下の4つです!自分が行く釣り場や予算等に応じて、以下のポイントを確認して自分に適したカヤックを選択して下さい。
- 長さ
- 安定性
- 重さ
- 駆動方式
①長さ
フィッシングカヤックの一般的なスペックは、長さ320㎝~420㎝!
カヤックの長さが長いほど速度が高くなり、短いほど小回りが利きます!
- 長距離移動必要:長いカヤック
- ポイントまでの距離が近い:短いカヤック
②安定性
カヤックには「シットオンタイプ」と「シットインタイプ」があります。釣りには、安定性が高く乗り降りしやすい「シットオンカヤック」がおすすめです。
シットオンタイプ

カヤックの横幅が広ければ広いほど安定性が高くなります。
初めてのカヤックなら、横幅の広いシットオンタイプがおすすめです。
シットオンタイプは、カヤック本体の上に乗るような設計になっているのが特徴で、動きの多いフィッシングシーンに適しています。
また、視線が高く、海を遠くまで見渡すことができるので、魚がいそうなポイントやナブラを見つけやすいです。
シットインタイプ

シットインタイプ(腰から下がコックピットに収まる形で乗り込むタイプのカヤック)は、重心が低く安定していますが、転覆した時に再乗艇しにくいというデメリットがあります。
また、重心が低いので、ポイントやナブラが見つけにくいです。
カヤックフィッシング初心者には、
- 釣りのしやすさ
- 転覆しても再乗艇しすい
という理由からシットオンタイプがおすすめ!
③重さ
家の目の前が海であるという人はまれで、自宅からカヤックを車載して海へ移動する人がほとんどでしょう。
カヤックを車載する人にとっては、カヤックの重さが一人で車載できる重さであるかどうかも重要なポイントになります。
さらに、駐車場から海岸まで遠い場合はカヤックカートがあった方が便利です。
④駆動方式
釣り用カヤックを選ぶ際は、「手漕ぎ方式(パドル式)」と「足漕ぎ方式(ペダル式)」のどちらかのカヤックを選択します!
- 手漕ぎ(パドルで操縦するオーソドックスなモデル)
- 足漕ぎ(ペダルを漕いで操縦するモデル)
①手漕ぎ方式の特徴
- メリット:比較的安価で軽量なモデルが多い、構造がシンプルでメンテナンスが容易、浅瀬にも入りやすい。
- デメリット:漕ぐ際に両手が塞がり、長距離移動は体力が必要。
②足漕ぎ方式の特徴

- メリット:両手が自由になるため釣りに集中しやすい。楽ちん。推進力が高く手漕ぎ方式よりも長距離移動が楽。
- デメリット:価格が高い、重量があるため運搬や準備が大変、浅瀬での座礁に注意が必要。
筆者が最初に中古で購入したカヤックは手漕ぎ方式ですが、ポイントまでの距離が遠いとパドルで漕ぐのが大変でした。予算に余裕がある人は最初から足漕ぎ式のカヤックを購入することを推奨します。
②パドル
カヤックにはパドルも必須です。
足漕ぎ方式のカヤックでもペダルが壊れた時のことを想定してパドルを持ってくことを推奨します。また、手漕ぎ式のカヤックでも予備のパドルを準備しておくことを推奨します。
パドルにも種類があり、パドルのブレード(水を掻く部分)とシャフト(パドルを持つ部分)の材質によって漕ぎやすさや金額が変わってきます。
カヤックフィッシング初心者は、プラスチックかグラスファイバーのパドルで良いですが、金銭的に余裕がある人は最初からカーボンパドルを買うことをおすすめします。
筆者も最初はプラスチックのパドルを使用していましたが、カーボンパドルに変えてカーボンの軽さと漕ぎやすさを知ってからはプラスチックパドルは使えません。
漕ぎやすい=釣りの時のストレス軽減
になるので、安いパドルだと一定程度のストレス(釣りにくさ)を抱えながら釣りをすることになります。
カーボンパドルは値段が高いのでパドルにお金をかけるのは勿体ないと思うかもしれませんが、安いパドルを買ってストレスを感じて高いパドルに買い替えるよりは、最初からカーボンパドルを買うことをおすすめします。
ブレード素材 | シャフト素材 | 漕ぎやすさ | 価格帯 | 参考価格 |
---|---|---|---|---|
プラスチック | アルミニウム | 漕ぎにくい | 安い | ~1万円 |
グラスファイバー | グラスファイバー | 普通 | 普通 | ~3万円 |
カーボン | カーボン | 漕ぎやすい | 高い | ~4万円 |
③シート
カヤックフィッシングで快適に釣りをするためには背もたれシートがあった方が良いです。
シートがなくても釣りはできますが、長時間の釣りを快適にするために必要です!シートがあることで釣りをしている時の安定性が上がり、腰への負担も軽減されます。
実際、私はシートなしで釣りをしていて非常に腰がいたくなったので、1回目の釣行ですぐにシートを購入することを決意しました。
④ロッドホルダー
ロッドホルダーは、カヤックを漕ぐ時や休憩する時にロッドを置くために必要です。
ロッドホルダーがないと常に竿を持つ手が塞がれてしまいます。
カヤックにロッドホルダーが付いていない場合は、インパクトドライバーで艇に穴を開けることで設置可能です。
筆者が中古で購入したカヤックはフィッシングカヤックではなかったので、インパクトドライバーを使って艇に穴を開けて設置しました。
設置する時は穴を開ける場所をよく考える必要があり、パドリングの邪魔にならない場所に設置します。
⑤シーアンカー
シーアンカーは風でカヤックが流されにくくするための道具です。
水中に抵抗のある傘状の布を沈めることで、風に対する抵抗力がつき、カヤックを風上に固定させる効果があります。
カヤックが流される速度を抑えてくれるので、狙ったポイントに留まることができます。
また、沖へと流されすぎて遭難事故にならないための安全装備としての役割も果たします。
⑥ライフジャケット
カヤックフィッシングに限らず、釣りをする時に命を守るための必須アイテムです。
カヤックフィッシングでは転覆により落水する危険性があり、海が荒れた日や、風が強い日は落水のリスクが高まります。
また、凪の日であっても後ろの荷物を取ろうとした時に不意にバランスを崩して転覆してしまうこともあります。
そういったカヤック転覆時にライフジャケットは命を守る重要な役割を果たします。
ライフジャケットには固形式と膨張式がありますが、カヤックフィッシングでは固形式の使用が推奨されています。
固形式のライフジャケットの使用が推奨されている理由は、パドリングや再乗艇の妨げにならないためです。
膨張式のジャケットは、落水時に浮力材が大きく膨らみ浮き輪に入っているような状態になるので、再乗艇の妨げになることや、パドリングの妨げになることがあるからです。
また、固形式のライフジャケットは、ポケットやプライヤーホルダーが搭載されているので、ルアーボックスを入れたり、プライヤーなどを収納できて手荷物が減るので便利です!
ライフジャケットの浮力は、7.5キロ以上の浮力があるものをおすすめします。
ライフジャケット選びに迷ったら一般社団法人 日本釣用品工業会が推奨している
「国土交通省型式承認品ライフジャケット 」
「日本小型船舶検査機構 性能鑑定適合品レジャー用ライフジャケット(固型式)」
のロゴマークが付いているものを選べばよいでしょう。

⑦フラッグ

カヤックフィッシングを安全に楽しむうえで、忘れてはならないのが「フラッグ(旗)」です。一見地味なアイテムに思えるかもしれませんが、実は命を守る重要な役割を担っています。
カヤックは水面に近く、船体も小さいため、他の船舶から非常に視認されにくい乗り物です。特に波やうねりがある日は、周囲の漁船やプレジャーボートから発見されにくく、接近に気づかれないまま衝突の危険すらあります。
そこで活躍するのが、カヤックに取り付けるフラッグ。高く掲げた目立つ色の旗があるだけで、遠くからでもカヤックの存在を他の船に知らせることができます。視認性の高いオレンジや赤色が一般的で、風にたなびくことで動きも加わり、より発見されやすくなります。
フラッグの設置は法律上の義務ではありませんが、安全管理上、多くの経験者や漁港関係者からは「必須」とされています。特に船の往来が多いエリアや、視界が悪くなりがちな朝夕には装備しておくべきです。
フラッグは、派手なアクセサリーではなく“あなたの命を守るための目印”です。海の上では「見えていること」が最も重要な安全対策。小さなアイテムですが、大きな安心につながるのです。
⑧ルーフキャリア等
カヤックを車載して運ぶためにはルーフキャリア等の道具が必要になります。
①ルーフキャリア
ルーフキャリアはINNO、TERZO、THULEが3大メーカーで、カヤック車載にオススメはINNO!
ルーフキャリアを購入する際は、メーカーの車種別適合表などを確認し、「自分の車種に適したタイプを選びます。(INNO車種別適合表ページ)
工具も付属しているので、簡単に取り付けできますが、不安な人はカーショップでも取付してもらえます。
②縦バー+クロスバーホルダー
縦バーはカヤックを車に立て掛ける時と車の上に載せる時に必要な道具です。
カヤックを一人で車の上に載せる時は以下の手順になりますが、その際に縦バーとクロスホルダーが必要になります。
- カヤックの船頭を持ち上げて縦バーに立て掛ける
- 船尾を押し上げて車の上に載せる
- カヤックを90度回転させて船頭を車のフロント側に向る。(横バー二本にカヤックを乗せる)
INNOから発売されている「クロスホルダー」というパーツを使うことで、横バーに縦バーを取り付けることができます。
縦バーの長さは車種によって違うので、横バー同士の間隔を測って購入すること!
③荷締めベルト
荷締めベルトは、積載したカヤックをキャリアへ固定する為に使用するベルトです。ラチェット式のタイプは確実に固定でき、使い勝手が良いのでおすすめです。長さは4mあれば十分でしょう。
④キャリアパッド
キャリアパッドは、ルーフキャリアのバーでカヤックが傷つかないように取り付けるクッションです。
横バー及び縦バーにも取り付けるとカヤックが全く傷つきません。
ロングタイプとショートタイプの長さがあるので、ちょうどいい長さの物を購入して下さい。
カヤック車載時の法律上の注意点

カヤックを車載する時は、道路交通法及び道路交通法施行令の自動車の積載の制限に従う必要があります。
根拠条文は「道路交通法第57条」及び「道路交通法施行令22条」を参照。
道路交通法施行令22条において、具体的な積載物の重量・長さ・幅・高さ・積載方法について書かれています。
ここでは条文の概要を以下のとおりまとめました。
法令で定められた以下の各基準を超過すると罰金が科される可能性があるので、カヤックフィッシングを始める前に覚えておきたい。
・積載物の重量:自動車検査証に記載された最大積載重量
・積載物の長さ:(自動車の長さ)×1.1
・積載物の幅:自動車の幅
・積載物の高さ:3.8m-(自動車の高さ)
・積載方法:「自動車の車体の前後から自動車の長さの十分の一の長さを超えてはみ出さないこと」、また、「自動車の車体の左右からはみ出さないこと」。
上記の積載の制限を実際の車両(プリウス)に当てはめてみて計算してみよう。
プリウス(E) 諸元 | |
車両重量 | 1320 kg |
車内総重量 | 1595 kg |
長さ | 457.5 cm |
幅 | 176 cm |
高さ | 147 cm |
積載物の重量の計算
積載物の重量=自動車検査証に記載された最大積載重量
自動車検査証を確認したが、最大積載重量は「-kg」となっており、最大積載重量の数字が分からない。
これはプリウスの用途が乗用車であり、荷物を積載することを想定していないため。
乗用車の最大積載重量についての法的な決まりはないようですが、「車内総重量」から「車両重量」を引くことで、最大積載重量の目安を算出することが可能。
1595kg(車内総重量)-1320kg(車両重量)=275kg
275kgは運転手の体重も含めての重量なので、275kgから運転手や同乗者の体重を引いた重量が最大積載重量の目安となります。
積載物の長さの計算
積載物の長さ=(自動車の長さ)×1.1
457.5(cm)×1.1=503.25(cm)
約5m以下のカヤックなら積載可能になります。
積載物の幅
積載物の幅=自動車の幅
176cm以下の幅のカヤックなら積載可能になります。
積載物の高さ
積載物の高さ=3.8m-(自動車の高さ)
380(cm)-147(cm)=233cm(≒2.3m)
約2.3m以下の高さのカヤックまで積載可能になります。
中古カヤック購入にかかった費用
筆者自身も最初は中古でカヤックを購入し、カヤックフィッシングデビューしました!
釣り用カヤック用ではありませんが、インパクトドライバーで穴を開けてロッドホルダーを取り付けるなどして釣り仕様のカヤックにすることができたました!
身近にカヤックフィッシングをやっている人やアドバイスをくれる人がいない中、ネットやYouTubeで情報収集し苦労しながら道具を取り付けて何とかカヤックフィッシングデビューすることができました!
その際の費用は約51,000円でした!↓内訳はこちら↓
名称 | 金額 |
---|---|
カヤック(パドル付) | 40,000円 |
シート | 5,500円 |
ロッドホルダー(2個) | 2,800円 |
パドルホルダー | 1,298円 |
シーアンカー | 890円 |
シリコーンシーラント | 500円 |
合計 | 50,988円 |
中古のカヤック(パドル付)を40,000円で手に入れたので、かなり費用を抑えることができました。カヤック以外の道具はAmazonで購入しました。
沖縄本島内の実店舗でフィッシングカヤック用の道具を扱っているお店がほとんど見つからず、実店舗があったとしても、値段が高かったり、欲しい物と違うということがあったのでAmazonで購入しました。
通販で購入する際の注意点は、納期!
商品に在庫があればすぐに届きますが、在庫がない場合や発送地域が海外である場合は、注文から配達までに約1ヶ月かかる商品もあります。
実際、今回Amazonで購入した商品の内、シートは注文から配達まで1ヶ月を要しました。
パドル・シート・ロッドホルダーなどの付属品がセットになったカヤックも販売されているので、すぐにカヤックフィッシングを始めたい人は装備フルセットカヤックを買うことをおすすめします。
カヤックの出艇〜帰着までの流れ
沖縄でカヤックフィッシングを安全かつスムーズに行うためには、出艇準備から海上の行動、そして帰着後の片付けまでの一連の流れを事前に理解しておくことが重要です。
各ステップで確認すべきことや注意点を把握しておくことで、トラブルを未然に防ぎ、限られた時間を有効に使って釣りを楽しむことができるからです。
以下の一連の流れを意識し、特に安全確認を怠らないことが、沖縄で安全に楽しいカヤックフィッシングを楽しむために必要なことです。
- 天気予報・海況の最終確認(風、波、潮汐)。
- カヤック本体、パドル、ライフジャケット、釣具、安全装備の点検。
- 飲み物、日焼け止め、着替えなどの準備。
- 釣行計画(ルート、時間、緊急連絡先など)の共有(複数人の場合)。
- 車からカヤックを下ろして装備のセッティング。
- ライフジャケット着用。
- ストレッチなどの準備運動。
- 周囲の安全確認(他の船舶、遊泳者など)。
波打ち際やスロープからゆっくりとカヤックを水に浮かべ、乗り込む。
- ポイントへ移動(周囲を常に警戒)。
- 釣り開始。こまめな水分補給。
- 天候や体調の変化に注意。
- 予定時刻までに帰着。
- ゆっくりと岸に近づき、安全に上陸。
- カヤック、釣具の真水洗浄と片付け。
- ゴミの持ち帰り。
- 釣果の処理。
ポイントの見つけ方とGPSアプリ活用法
沖縄でのカヤックフィッシングの釣果を左右する重要な要素がポイント選びであり、海底地形図や衛星写真、そしてGPS機能付きのスマートフォンアプリなどを効果的に活用することで、有望なポイントを見つけ出すことができます。
魚は無闇に泳ぎ回っているわけではなく、根(岩礁)、カケアガリ(海底の急斜面)、リーフエッジ、潮目など、特定の地形や海況変化のある場所に集まる習性があるため、それらの場所を効率的に探す必要があるからです。
カヤックフィッシング初心者におすすめのタックル

カヤックフィッシング初心者におすすめのタックル(ロッド・リール)を紹介します。
カヤックフィッシング初心者の人は、ここで紹介するタックルを選べば失敗することはないでしょう。
カヤックフィッシングにおすすめのロッド
ポイントはロッドの長さ!5ft~6ft(1.52m~1.83m)の長さがおすすめ!
カヤックに座って釣りをした時に、ロッドの長さがカヤック先端を超える最短の長さが一つの目安。
長すぎると魚が取り込みにくくなり、また、操作性も低下しルアーアクションにも影響します。
ルアーアクションは釣果にも影響するので、ロッドの長さは最適な長さのものを選ぶことが大切です。
筆者が知人と釣行した際、知人は約9ft(2.7m)のシーバス用のロッドを使用しており、非常にやりにくさを感じて釣りをしていました。
また、ランディングネットやフィッシュグリップで魚を取り込む時も短いロッドの方が取り回しが良くなります。
ロッドの長さが短すぎると魚が船底を通り反対側へ走ってしまった場合に、ロッドを反対側に回しにくくなります。
ロッドを反対側に回す時にラインがカヤックに引っ掛かるトラブルによってバラしてしまうリスクを回避するためにも、短すぎない長さが必要です。
筆者が初心者におすすめするスピニングタックル用カヤックフィッシングロッドは以下のロッドになります。
製品名 | 画像 | 価格 |
---|---|---|
1.シマノ クロスミッション(S66MH-S) | ![]() | 約2.2万円 |
2.シマノ クロスミッションBB(S66MH-S) | ![]() | 約1.6万円 |
3.シマノ スコーピオンXV 2602R-2 | ![]() | 約1.3万円 |
4.シマノ スコーピオン2602R-5 | ![]() | 約2.9万円 |
5.テイルウォーク PADDLERNA(S62/65) | ![]() | 約2.6万円 |

カヤックフィッシングにおすすめのリール
カヤックフィッシング用のリールには以下の2種類のリールがあります!
- スピニングリール
- ベイトリール
自分が使い慣れているリールならスピニングリールでもベイトリールのどちらでも良いですが、初心者にはスピニングリールがおすすめです。
使い分けを簡単に説明すると、メタルジグでのバーチカルな釣りがメインの方はベイトリール、表層や中層を狙ってキャスティングをする方はスピニングリールがおすすめです。
可能であれば、2本のタックルを準備すると便利です。
浅場の釣り場:スピニングタックル
深場の釣り場:ベイトタックル
それぞれのリールの特徴について簡単に説明します。
スピニングリールの特徴

①飛距離が出る
スピニングリールは、ラインが放出される時に、スプールからフリーで放出され抵抗が小さいので、ベイトリールよりも飛距離が出ます。
②トラブルレス
ベイトリールで起きるバックラッシュがないのでトラブルが少ないです。
③負荷発生時に巻き取りにくい
ハンドルを縦回転運動で巻き取り、その力を使ってスプールを横回転させてリールを巻くのがスピニングリールの仕組みです。
ハンドルの回転方向(縦方向)とスプールの回転方向(横方向)で運動方向が異なるので、負荷が掛かった時にはハンドルを巻く力をスプールの回転に伝えにくくなり、巻き取りにくくなります。
そのため、根がきつい釣り場で大きな魚が掛かった場合などは、スピニングリールはベイトリールよりも不利になります。
カヤックフィッシングにおすすめのスピニングリール
沖縄のカヤックフィッシングでは、浅場でもタマンやアカジン等の不意の大物が掛かることがあるので、リールは太い糸が巻けてパワーもある4000番~5000番クラスのスピニングリールをおすすめします。
私はC5000XGのリール(19ヴァンキッシュ)を使用していますが、60cmオーバーのタマンがかかるとそれでもパワー不足だと思います。
カヤックフィッシング初心者の方は最初から60cmオーバータマンを狙う訳ではないと思います。とりあえず、4000番~5000番クラスのスピニングリールであれば、糸巻き量とパワーがあるのである程度の魚には対応できます。
また、防水性能をもったリールであることが必要です。
カヤックフィッシングではかなりタフな環境でリールを使用することが多くなります。パドリングで移動する際も潮をかぶりますし、水面が近いので不意に波しぶきがかかることもあります。
また、予備タックルも持っていくことも難しいので、リールにトラブルがあると釣りを中止することになってしまうかもしれません。
リールに耐久性、防水性があれば安心して釣りに集中できますので、ある程度防水性能をもったリールを選びましょう!
では、カヤックフィッシングを始める人向けにコスパに優れたスピニングリールを紹介していきます。
製品名 | 画像 | 価格 |
---|---|---|
1.シマノ 21ナスキー C5000XG | ![]() | 約1万円 |
2.シマノ 25アルテグラ C5000XG | ![]() | 約1.4万円 |
3.ダイワ 21フリームス LT5000-CXH | ![]() | 約1.4万円 |
4.ダイワ 23レグザ LT5000-CXH | ![]() | 約1.6万円 |
カヤックフィッシングにおすすめのベイトリール
沖縄のカヤックフィッシングでベイトリールを使う場面は、水深が深い釣り場でバーチカルの釣りをする場面になります。
水深の深い釣り場ではアカジン、タマン、大型回遊魚が釣れる可能性があることから、リールの最大ドラグ力は7kgは欲しいところです。回遊魚ならまだしもアカジンなどの根魚やタマンを海底付近でかけた際、ドラグ力が弱いリールだと簡単にラインを出されて切られてしまうリスクが高くなるからです。
また、水深が深いポイントに仕掛けを落とすことになるので、多くの道糸を巻けることが必要になります。具体的にはPEライン2号を200m以上巻けるリールであれば問題ありません。
さらに、スピニングリール同様、ある程度の防水性能をもったリールであることが必要です。
筆者がおすすめするこれからカヤックフィッシングを始める人向けにコスパに優れたベイトリールはこちらです。
製品名 | 画像 | 価格 |
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1.アブガルシア ソルティーステージ コンセプトフリー | ![]() | 約1.7万円 |
2.シマノ 20トリウム150HG | ![]() | 約1.9万円 |
3.シマノ グラップラー 300HG/301HG | ![]() | 約2.5万円 |
まとめ
この記事では、これから沖縄でカヤックフィッシングを始める人が簡単にカヤックフィッシングを始めることができるようにカヤックフィッシングに必要な道具や予算等について説明しました!
どうですか?記事を読んで「カヤックフィッシング始めることができそう!」と思って頂けましたでしょうか?
この記事を読んで読者の皆様がスムーズにカヤックフィッシングを始めることができれば幸いです。
- カヤックフィッシングはポイント競争率が低く、釣果も期待できる!
- カヤックフィッシングに必要な道具が分かる!
- 中古カヤックを買えば約5.1万円で始めることができる!
- カヤックフィッシングを車載する時は道路交通法等の法令を遵守する必要がある!
- ロッドの長さは5ft~6ft(1.52m~1.83m)がおすすめ!
- リールは防水性能が高く、最大ドラグ力7kg以上のリールがおすすめ!
カヤックフィッシング初釣行記事も書いておりますので参考にして下さい。
